この記事を見てくださっているママは、眼科でお子さんの「弱視」診断を受けた方でしょう。
私も今年の春、「弱視」というものに全く知識がない状況で、娘を連れて行った眼科で診断を受け、ショックを受けた母親の一人です。
全く気が付かずに娘は6歳2か月。
小学校に入り、健康診断の視力検査で目が悪いかもしれないから眼科へ。という内容の通知を頂いて来て、すぐに近くの小児眼科へ連れて行きました。
1.弱視とは
眼鏡をかけても視力が矯正されない目のこと。
生まれた時には視力が弱い赤ちゃんは成長と共に視力が発達していき、小学校へ上がる頃には1.0くらい見えるようになります。
生まれてからの毎日で物を見ているうちに、脳が「見る」という行為を学び、視力を発達させていくのです。
しかし、何等かの原因により、脳が視力を発達させる訓練を出来ていないことがあります。脳がピントの合った状況を知らないために見る能力が発達していない状態。
これが弱視です。
脳が知らないため、眼鏡をかけて視力を矯正しようとしても、視力が上がらないのです。
弱視のまま大人になると、免許が取れないなどの障害が出て来ます。
娘の場合は「遠視」が原因となり、左目で見る行為が発達せず、左目のみ弱視という診断でした。
片方の目が見えていると、見える方の目を主に使っているため、本人は「見える」と言うし、親からしても「見えている」ように見える・・・
子どもって遠くにいる知り合いに大人より早く気が付いたり、空の飛行機に気が付いたり、とても見えていないとは思えないと感じることが多いです。
大人と同じくらいの視力まで発達する8~9歳までに弱視を治さなければ、治る確率がぐんと下がるとのこと。
早速眼鏡を作り、弱視と診断された目の訓練を開始しました。
2.弱視の検査
弱視かもしれない。という診断を受けたものの、正確な診断をするためには瞳孔を開いた状態での検査が必要なため、日を改めて検査の日程が組まれました。
「サイプレジン点眼薬」を処方されて持ち帰りました。
検査当日は、検査の約1時間前から目薬を点眼します。
10分おきに3回点眼し、3回目の点眼から30分後に検査開始です。
小さな子は目薬をするだけでも大騒ぎです。6歳の娘も目薬が入るとぎゅっとめをつぶってしまって目薬が入っていないように見えたり、嫌がったり大変でした。
最後の1回は眼科についてから、看護師さんがしてくださいました。
瞳孔を開かせる効果があるため、この目薬をしてから2~3日はぼやけて見えづらいかったり、眩しく感じたりすることがあるため、出来るだけ翌日に学校がない金曜日に検査をする方が良いようです。
娘は検査の後も特にいつもと違った様子を訴えることはありませんでした。
この検査により「弱視」の確定診断となりました。
3.眼鏡について
娘は遠視が原因の弱視でした。
遠視の眼鏡はかけていると目が大きく見えるレンズです。
度が高いため、違和感あるほど目が大きく見えてしまうとのことで、一番薄型のレンズを選びました。
フレーム15,000円
レンズ30,000円×2
合計75,000円と高級眼鏡。
これで娘の目が治るのならば!!高くありません・・・
子どもの眼鏡を買う時の注意点
- 子どもは想像以上に破損・紛失してしまうので、保証について確認しておく。(フレームは〇回まで。レンズは1年以内なら交換無料。などお店によって異なります)
- 子どもが使っていると、大人では考えられないくらいフレームが曲がってくるものです。細めに通ってメンテナンスをしてもらえる距離であること。
4.眼鏡の保証について
お高い眼鏡ではありますが、「弱視」の眼鏡は治療用の眼鏡という扱いとなり、健康保険組合に申請することにより、代金の一部が返金されます。
9歳未満の小学生は 健康保険から7割給付、公費から3割給付 となります。(上限38,461円)
診断を受けた眼科で、「治療用眼鏡の作成指示書」を出してもらい、眼鏡購入店で領収書をもらうことを忘れずに。
その後、別の補助金を申請する時のために、眼鏡の領収書はコピーを取っておきましょう。
5.トレーニング方法
眼鏡が出来たら、お風呂以外の起きている時間は全て眼鏡をかけて過ごすことになります。
小さいとずっとかけていることが難しいかもしれませんが、根気強く眼鏡をかける習慣をつけさせてあげましょう。
まず、見えている方の目をアイパッチで隠します。
アイパッチにも種類がありますが、いくつか試した結果、上のホワイトが一番良いようです。
ベージュのタイプは剥がす時に痛いようでした。
眼帯タイプもありますが、隙間から見える方の目で見ようとしてしまうため、出来るだけ完全に隠せるテープのタイプの方が効果が見込めます。
アイパッチを使ってのトレーニングは長丁場です。
毎日、時には1日のうちに数回に分けてトレーニングをするとあっという間にアイパッチは無くなってしまうので、まとめ買いがお勧めです。
アイパッチで見える目を隠したら、必ず眼鏡をかけて、目を使う作業をします。
- 自分で絵本を読む(読み聞かせではなく自分で目を使って読む)
- 折り紙をする
- 塗り絵をする
- 集中して観られる好きなテレビを見る
- トランプ
- ウノ
など。弱視の目を積極的に使う作業をした方が良いです。
6.効果があったトレーニング
一番効果があったのがアイロンビーズ。
細々したことが好きな子にはお勧めします。
細かい作業を根気強く、落とさないように集中して行うので、アイロンビーズを集中して行った後の検査で視力が上がっていました。
もちろん、その他のこととの積み重ねもありますが、アイロンビーズは楽しみながらトレーニング出来て、購入して良かったものの一つです。
毎日のトレーニングを子どもが嫌がる日もあります。
そんな日は抱きしめて「ママはあなたの目が良くなって欲しいといつも願っている」というお話をしたり、時には気分転換に新しい眼鏡ケースを注文したりします。
女の子には新しい可愛い眼鏡ケース、効果抜群です。
7.まとめ
娘はギリギリ対象の年齢からはずれてしまっていたのですが、今は3歳児検診で弱視の検査を取り入れている自治体もあるようです。
なぜなら、弱視の治療は少しでも早く始めた方が良いためです。
視力の成長が止まる8~9歳までに出来る限り治療を進められるよう、もし小学校入学後の検診で目の再検査通知をもらってきたなら、後回しにせず、1日も早く眼科へ連れて行きましょう。
目薬を使っての再検査、眼鏡作成、と初診からトレーニング開始まであっという間に1ヶ月くらい過ぎてしまいます。
弱視と診断されたら、必ず治す!という信念の元、頑張っていきましょう。
私も診断を受けた時はショックでしたが、治る可能性があるのなら、試せることは全てやろう。と心に決めました。
診断から4か月程、少しずつ視力が上がってきているようです。
長い時には数時間連続でアイパッチをし続けて過ごしています。
もちろん、全く出来ない日もあります。
1人でも弱視の子どもが減りますように!私も頑張ります。